河邑ゼミの気になるアレコレ

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悪人 

悪人 スタンダード・エディション [DVD]悪人 スタンダード・エディション [DVD]
(2011/03/18)
妻夫木 聡、深津絵里 他

商品詳細を見る

監督:李相日原作:吉田修一脚本:吉田修一、李相日主演:妻夫木聡(清水祐一)深津絵里(馬込光代)
販売元: 東宝
DVD発売日: 2011/03/18
担当者:舩木 佑里香

この『悪人』は、邦画でまれにみる非常に考えさせられる映画であった。最初見ていた時は、また殺人事件の謎解きをし、犯人を捕まえて、一件落着と終わるものであると思っていたが、殺人犯の視点や被害者の遺族の視点から描かれており、通常の殺人事件を描いた物語とはひと味違った物語となっている。
妻夫木聡(清水祐一)は、祖父母に育てられ祖父の病院通いの送り迎えなども行う最近まれに見るよく出来た孫であった。彼は出会い系で知り合った保険外交員の女性と付き合っていたが、その女性が他の金持ちの男と車で立ち去る姿を見てしまう。
その車を追いかけた妻夫木聡(清水祐一)は、金持ちの男に山奥で下された保険外交員の女性を助けようと駆け寄るが、「山奥であんたにいやらしいことされたとみんなに言ってやる!」とおどされ彼女を殺してしまう。妻夫木聡(清水祐一)は、保険外交員の女性を殺してしまった罪悪感にさいなまれ、そのことを忘れたいと出会い系で深津絵里(馬込光代)と知り合う。深津絵里(馬込光代)は、地元の洋服専門店で働く地味な女性で心の優しい女性であった。妻夫木聡(清水祐一)は深津絵里(馬込光代)に惹かれはじめ、二人は恋におち、自首をしようと決心するが、深津絵里(馬込光代)が一緒に逃げようと二人で逃走する。二人で逃走していたが、最後には警察に見つかり、妻夫木聡(清水祐一)が深津絵里(馬込光代)の首を絞めているところで警察に妻夫木聡(清水祐一)が逮捕される。
この物語を観終わったとき私は、「本当の悪人は誰?」という疑問が浮かび上がった。
もちろん人を殺してしまった妻夫木聡(清水祐一)が悪人というのは、誰がどう見ても分かる事実であるが、彼は祖父の病院通いの送り迎えなども行っていたり、深津絵里(馬込光代)と逃走中に深津絵里(馬込光代)が寒さを軽減するべく、温かいお湯を用意して足をつけさせてあげたり、警察に見つかった時にも妻夫木聡(清水祐一)が深津絵里(馬込光代)の首を絞めていたがこれは深津絵里(馬込光代)を助けるため、一緒に逃げていたと分かれば彼女にも罪を負わせることになるからと行ったのではないかと感じてしまう部分が多々あった。
それに対して、出会い系で知り合った保険外交員の女性は他の金持ちの男と車で立ち去さったうえ、「山奥であんたにいやらしいことされたとみんなに言ってやる!」と妻夫木聡(清水祐一)を脅している。妻夫木聡(清水祐一)の純粋な気持ちを踏みにじるようなことをしている。
また金持ちの男は、山奥で保険外交員の女性を下し、その後殺された保険外交員の女性悪口を高飛車に友達に語ったり、殺された女の父親が会いに来た時も蹴飛ばしてどなり声をあげた。このような男こそ心の無い真の悪人であると私は思った。
この悪人という物語をみたら本当の悪人は誰か?ということを一回考えてほしいと思う。
私がすごく印象的であったシーンは、妻夫木聡(清水祐一)が殺人犯として皆から「あいつは悪人や」と呼ばれている姿。それに対して妻夫木聡(清水祐一)と一緒に逃げていた深津絵里(馬込光代)が「本当に彼は悪人なんですかね。」という言葉と共に妻夫木聡(清水祐一)が深津絵里(馬込光代)に「お前にこれを見せたかったんだ。」といって朝日を見せてくれた回想シーンが入る。そして「やっぱり彼は悪人だったんですね。」と言って物語が終わる。きっと深津絵里(馬込光代)は妻夫木聡(清水祐一)が持っている温かさや優しさを知っているが、最後に自分の首を絞めた彼のことを思うとやっぱり彼は悪人だと思うしかなったという悲しい結末がすごく印象に残っている。
この映画はほんとに考えさせられる映画であった。時間があるならぜひ一度観てほしい映画である。

テーマ:映画レビュー

ジャンル:映画

タグ:  悪人    レビュー  深津絵里  東宝 

ジェノサイド 

ジェノサイドジェノサイド
(2011/03/30)
高野 和明

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作者:高野 和明
出版社:角川書店
発売日: 2011/3/30
担当者:鍵和田 亮

主人公である古賀研人は、父の死後に受け取った電子メールから難病の治療薬を創る極秘プロジェクトを引き継ぐのですが、これと並行して、コンゴへの潜入任務を引き受ける傭兵イエーガーのプロジェクトも動き出します。最初はなぜこのまったくつながりの見出せないストーリーが同時に展開するのか、私には分からなかったのですが、それぞれがノンストップで展開していくうちにピタッとつながってくるというのがすばらしく職人技的で感動さえ覚えました。そして、難病患者を介在させ創薬にタイムリミットを設けることで、”間に合うのか”というハラハラ感を出しています。この作者の高野氏は「13階段」や「6時間後に君は死ぬ」でもタイムリミット型のミステリーを書き上げていますので、ここらはお馴染なのでしょう。 さらに、個人的には非常に興味深い「人類の進化」が本書の最も大きなテーマでもあります。タイトルのとおり「ジェノサイド」の記述は所所に見られますが、そもそもジェノサイドが今も現在進行形で行われていることで、今の人類は劣等生物であり、高等生物に進化しない限りこれからも世界のあちこちで戦争や虐殺が繰り返されるのではないかという仮説のもとに、本書は成立しているのではないかと思います。

テーマ:書評

ジャンル:小説・文学

タグ:  書評  ジェノサイド    高野  和明 

采配 

采配采配
(2011/11/17)
落合博満

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著者:落合博満
出版社:ダイヤモンド社
出版年:2011年11月
担当者:安間 敬太

あらすじ
マスコミにはほとんど口を開かなかった、あの“落合”が10年ぶり全てを語る!選手として史上初の三冠王を3度達成(いまだ記録は塗り替えられていない)、監督としてチームを53年ぶり
に日本一に導き、2004年の就任以来8年間で2回に1回はチームが優勝、2011年は史上初の2年連続リーグ優勝を果たすなど、選手として、そして監督として脅威の数字を残し続ける男、
落合博満。常にトップを走り・育て続ける名将が、監督就任後初めて明かす、自立型人間の育て方、常勝組織の作り方、勝つということ、プロの仕事ついてetc.…。


 先月プロ野球の中日ドラゴンズ監督を退任した落合監督の言葉から、今の自分が心に刻むべき言葉が多々あった。
 まず一つ目は、「『切り替える』は、考える力のない人の方便」である。これは、現在卒論班長としての自分に言い聞かせなければならない一言である。班長である私には、立場上論文の作成方針や議論の内容を持ちだし、ミーティングで議論を円滑に導く役目がある。しかし、その方針がいつもうまくいくとは限らず、議論が停滞することもある。私はそうした場面に出くわすと、行き詰った道を抜け出す方法を探ることを簡単に諦め、「切り替えて、他の方法を考えよう。」「持ち帰って、それぞれで考えてみるか。」ということにしてしまうことが多々あった。仮にうまくその場は凌げても、結局何度も同じように議論が停滞することがあるのが現状である。落合監督は、「切り替えるのではなく、自分のミスと抜きあってもがいてこそ、抜けだす答えはある。」
と言い切っている。落合監督と私の発想の違いは、ミスを「無駄」と捉えるか、「チャンス」と捉えるかの違いにあると思う。スマートにきれいに議論をゴールに導こうとするのではなく、泥臭くミスを「チャンス」と捉える心で残りの卒論作成に励んでいきたい。
 二つ目は、「『上司に嫌われている、相性が合わない』は逃げ道」である。人のせいにしているのは危険信号で、そんな無駄なことはしないで本来はそんな中でも今の自分の状況を客観的に見据えて行動すべきということにつながる。これはゼミ活動において、「ゼミ全体がうまくいかない時、うまく議論が進まない時に、他人のせい(たいていゼミ長であるが…)にするな。」という言葉に置き換えてみると、今ゼミ生全体が意識すべき言葉になるのではないかと私は考える。結局誰かのせいにしても何も良い方向には進まないし、ゼミというチームで活動している
以上、何か問題が起きた時にそこに関係のない人はいない。自分の立場で何が問題だったのかを考え、行動に移せる人間でありたい。
 最後に、今後の人生で忘れたくない言葉として、「采配(自分の決定)を『正しかったか、間違っていたか』で評価することはない。ただあるのは『その時に最善と思える決断をしたかどうか』ということ。」である。このセリフが言えるのは、その決断をするにあたって最善な準備や努力や覚悟があることの裏返しであると思う。そしてその時に最善な決断をしたからこそ、結果が伴わなくともそのミスを「無駄」と思わずに省みて、次なる成果に繋げられるのだと思う。1つ目と2つ目であげた言葉を実践することで、将来この最後の言葉を自分で実践できるようになると信じ、残りのゼミ活動、学生生活をやり遂げたい。

テーマ:書評

ジャンル:小説・文学

タグ:  落合博満    ダイヤモンド社  レビュー 

輪違屋糸里 

輪違屋糸里 上 (文春文庫)輪違屋糸里 上 (文春文庫)
(2007/03)
浅田 次郎

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作者:浅田次郎
出版社:文藝春秋
発売日:2007/03
担当者:竹内菜子

この本は私にとって革命を起こした歴史本であった。元々歴史というものに全く興味がなく、むしろ歴史が嫌いだった私がこの本を読むきっかけとなったのは母からの勧めであった。この本は新選組が活躍していた時代を背景としている話であるが、歴史の本にしては珍しく新撰組が主体で書かれているのではなく、新撰組を取り巻く数名の女性を主体として書かれていた。またフィクションではあるが全くのフィクションではなくある程度の時代背景を考慮して書かれているので、歴史が苦手な私最後まで飽きずに読む事が出来た。まずこの本を読むにあたり新撰組についての知識を少し頭に入れてから読む方がスラスラと読めるのではないかと思う。内容としては糸里という主人公が親元を離れた京の街で芸の道を極めて生きていく話なのであるが、その他にも数名の女性の生き方が書かれており、現代では考えられないほどの男尊女卑の考えが通念としてある中で、女性としてどのゆに生きていくべきなのか翻弄している女性たちの姿が書かれていた。現代では女性の立場が強くなってきており、社会でも活躍する女性の数はどんどん増加しているが日本の歴史を読み解いていく中で男尊女卑の概念が弱くなってきたのはつい最近の事であるのにも関わらず、この新撰組の時代の女性の生き方というものが現代とかけ離れ過ぎている事に驚愕した。この本に書かれている主人公や周囲の女性達はそんな時代においても女性としての生き方を自身の考えで貫いた人々のストーリーが描写されており、女性としての強さを感じる事が出来た。またこの本のタイトルである『輪違屋』という置屋は今でも京都の街に実在しており、また『糸里』という女性も実在していた人物である。関西出身とおう事もあり京都の街は馴染みがあるが、この事実は全く持って知らなかった。この一冊をきっかけにして歴史について再度勉強したいという気持ちにさせてくれた本であった。

テーマ:書評

ジャンル:小説・文学

タグ:  浅田次郎  文藝春秋    輪違屋糸里 

キリング・フィールド 

キリング・フィールド HDニューマスター版 [DVD]キリング・フィールド HDニューマスター版 [DVD]
(2010/02/19)
サム・ウォーターソン、ハイン・S・ニョール 他

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出演:サム・ウォーターソン, ハイン・S・ニョール, ジュリアン・サンズ, ジョン・マルコヴィッチ
監督:ローランド・ジョフィ
販売元:ワーナー・ブラザーズ
DVD発売日: 2010/02/19
担当者:難波 亮

あらすじ
内乱の火花散る1974年のカンボジア、戦火の中現地に乗り込んだアメリカ人記者シャンバーグは現地人の助手プランと共に取材を続けていた。しかし、やがて戦況は悪化、外国人記者たちは国外追放されることになり、二人は離ればなれになってしまう…。(amazonより)

この作品は1970年代のカンボジア内戦を取材し、後にピューリッツァー賞を受賞したニューヨーク・タイムズ記者シドニー・シャンバーグの体験に基づく実話を映画化したものである。1984年のアカデミー賞においては、助演男優賞・編集賞・撮影賞の3部門を受賞している。
カンボジア内戦でのクメール・ルージュによる虐殺シーンがとても生々しく、目をそらしたくなるシーンが多くあり、衝撃的な作品であった。また、助手のプランを演じたハイン・S・ニョールはカンボジア出身の医師で、実際にクメール・ルージュの元で強制労働に就かされた経験を持っており、実際の経験に基づく彼の迫真の演技はとても素晴らしかった。ラストの生死の危険を共にしたアメリカ人記者シャンバーグと助手プランの再開のシーンでは二人の友情に心を打たれた。
現在は世界遺産があり、観光地として発展しているカンボジアで過去に70万 -
300万人とも言われる死者を出した内戦があり、「眼鏡をかけている」、「文字を読もうとしている」といった馬鹿げた理由で多くの人が殺されたという過去を知ることができた。他にも世界では過去にルワンダ紛争などが起こり、現在でも世界では内戦や暴動が行われている。このような出来事は自分たちの生活と決して無関係ではないと思う。この作品を通じて、世界情勢により関心をもっていくべきだと感じた。

テーマ:映画感想

ジャンル:映画

タグ:  映画  レビュー  キリング・フィールド